ダイ族(傣族)伝統舞踊:孔雀舞について

​文:遠藤 智子

ダイ族に伝わる伝統舞踊は、高い芸術性をもっており、体幹や手脚で作られるS字のラインや、

流れるような螺旋を描く動作が特徴的です。

そのダイ族舞踊の中で、もっとも代表的なものが孔雀舞です。

 

孔雀舞は、ダイ族舞踊を代表する舞踊であり、祭りや祝い事の際には必ず踊られます。
神の化身である孔雀の姿を模倣した、愛、喜び、生命力などを表現するその舞は、

魔を払い、幸福、繁栄、発展、勝利などをもたらすと言われています。


古典的な孔雀舞では、孔雀を模倣する装飾具を身に付け、象脚鼓の演奏にあわせて踊ります。

昔は仮面を付けた男子のみが踊る神楽のようなものであったとされ、舞台の上ではなく、庭や広場などの屋外にて、観客に四方を囲まれた中で踊るものでした。

仮面と装飾具を用いた孔雀舞は、たいへん優美であったといわれています。

 

中華人民共和国が成立後、文化芸術に携わる人たちによってダイ族民間舞踊の改変が行われ、現代の孔雀舞が生まれました。仮面や装飾具が取り払われ、表情や身体の動きに制約がなくなる事で、新しい表現を手に入れた孔雀舞は、中国のみならず、国外でも愛される芸術舞踊として発展を続けています。

特に、ヤン・リーピンの『孔雀の魂』『孔雀の恋』は日本公演も行われるなど、大変有名です。

孔雀舞

ダイ族にとっての孔雀

ダイ族では、孔雀は吉祥、幸福、美、善良の象徴であり、人々は家に孔雀の羽根を飾り魔除けにしています。
また「孔雀が美しい羽根を広げたとき、悪魔はその光で目を潰された(※1)」という伝説があり、孔雀は悪いことから守ってくれるものとして神格化(※2)されています。

 
※1 ダイ族の民話「悪魔と孔雀」
悪魔は孔雀の美しさに魅せられ、自分の妻にしようと迫る。
孔雀は悪魔に抵抗し、 その身を震わせて羽根を広げた。
その鮮やかに燦然と輝く羽根を見た悪魔の両目は潰れてしまい、孔雀が勝利した。
 
※2 孔雀の神格化
毒蛇を食べる孔雀は、インドでも悪を滅ぼす聖鳥として神聖視され、ヒンドゥー教においては女性神「マハー・マユーリー」として神格化されています。
マハー・マユーリーは仏教に取り入れられ、「孔雀明王」となり日本にも伝わりました。
毒蛇を食べる孔雀のように、孔雀明王は人間の煩悩を象徴する三つの毒「貪りの心」「瞋り(怒り)の心」「愚痴の心」を喰らい、正しく仏道に導いて、災厄や苦悩を取り除くと言われています。

ダイ族舞踊研究所

代表:遠藤 智子

​メール:tsuki_mai@hotmail.com

Laboratory of Dai Ethnic Dance since 2015

President : Tomoko Endo

Email tsuki_mai@hotmail.com

インフォメーション

ダイ族舞踊研究所

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